
素敵な公式LINEのリッチメニューを見つけると、自社のアカウントでも使ってみたくなりますよね。クライアントから「こんなイメージで作ってほしい」と参考画像を共有してもらうことも多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください。参考になるデザインをそのままなぞるように作ってしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあるのです。今回は、お気に入りのデザインを上手に落とし込みながら、自社ならではのオリジナルメニューを作るヒントを一緒に考えていきましょう。

参考になるデザインを見つけたとき、一番やってしまいがちなのが「見た目をそっくりそのまま真似してしまうこと」です。でも、これにはいくつかのリスクが隠れています。
まず、一番大きな理由は、自社の公式LINEの運用目的から外れてしまうリスクがあることです。デザインが素敵なアカウントは、その企業が「ユーザーにこういう行動をしてほしい」という狙いを持って設計しています。
例えば、あるアカウントは「店舗への来店」を増やしたいために、マップや予約ボタンを目立たせているかもしれません。一方で、自社のアカウントが「オンラインショップでの購入」を増やしたいのだとしたら、同じレイアウトを真似しても効果は出にくいですよね。
また、見た目の雰囲気だけを真似してしまうと、自社のターゲット層に響かなくなることもあります。20代の女性向けに作られた綺麗で繊細なデザインを、40代のビジネスパーソン向けのサービスにそのまま持ってきても、メッセージがうまく伝わりません。結果として、ユーザーが「自分向けのアカウントではないな」と感じて離脱してしまう、なんていうもったいないことにも繋がりかねないのです。
大切なのは、表面的な見た目を真似することではなく、自社のユーザーに合わせた使いやすさを形にすることです。
リサーチの中で「これは素敵だな」と思うメニュー画面に出会うと、ついついそのエッセンスをそのまま自社のデザインに反映したくなりますよね。でも、いくつかのポイントを意識しておかないと、気づかないうちに使いにくいメニューになってしまうことがあります。
まず気をつけたいのが、ボタンの配置やレイアウトをそのままコピーしないことです。スマートフォンの画面サイズは限られているため、リッチメニューのボタン配置はユーザーの押しやすさに直結します。
よくある失敗パターンとして、参考にしたデザインのボタン枠をそのまま使い、文字だけを自社のものに差し替えるケースが挙げられます。例えば、相手のアカウントでは「2つの情報を左右に並べる縦割り型」が最適だったとします。それを真似して、自社でもあまり重要ではない情報を2つ並べてしまうと、本当にユーザーに押してほしい「お問い合わせ」や「予約」といった一番大切なボタンが目立たなくなってしまいます。情報の重要度によってサイズを変え、メリハリをつけることが大切です。
また、配色についても注意が必要です。参考デザインの色の組み合わせが綺麗だからといって、自社のキャラクターやブランドカラーを無視して取り入れてしまうと、アカウント全体の雰囲気がちぐはぐになってしまいます。さらに、色数を増やしすぎて3色以上を同じ強さで使ってしまうと、どこがボタンなのか分からなくなり、ユーザーの目が滑ってしまいます。
文字の読みやすさ(視認性)も置き去りになりがちです。背景の写真やイラストに文字が重なって同化してしまったり、フォントにこだわりすぎて文字詰まりが起きたりすると、パッと見た瞬間に内容が理解できなくなります。
見た目の美しさに気を取られて、情報を伝えるという本来の目的が後回しにならないよう、全体のバランスを引きで見て確認することが大切です。
クライアントから「このアカウントっぽくして!」と言われたり、素敵な参考を見つけたりしたら、そのまま真似るのではなく、以下のステップで「エッセンス」だけを抽出してみましょう。驚くほどきれいに自社らしさへ落とし込むことができますよ。
パクリと言われないために、まずターゲットのアカウントをじっくり観察し、以下の4つに分解します。
・レイアウト(型):6分割なのか、大きなボタン1つ+小ボタン4つなのか?
・配色(カラー):メイン、サブ、アクセントの比率は?(例:ネイビー7割、白2割、ゴールド1割)
・フォント(文字):太いゴシック体で力強いのか、細い明朝体で上品なのか?
・あしらい(素材):手書き風のイラストか、スタイリッシュな写真か?
分解したロジックに、自社の素材を当てはめます。
参考先が「ネイビー×ゴールド」で高級感を出している6分割メニューなら、自社のブランドカラーである「深緑×シルバー」に置き換え、自社商品の写真に差し替えます。 これだけで、骨組み(ロジック)は同じでも、見た目は完全にオリジナルの「洗練された自社メニュー」に生まれ変わります。
ここで、今日からすぐに実践できる具体的なヒントを1つお伝えします。 それは、「参考デザインをモノクロ(白黒)に変換して見てみる」という方法です。 カラーのままだと、どうしても色の綺麗さに目を奪われてしまいます。しかし、スマホの編集機能などで一度白黒にしてみると、純粋なレイアウトのバランスや、文字の読みやすさ(明度差)がはっきりと分かります。白黒にしても見やすいデザインは、視線誘導や情報の優先順位がしっかりと整理されている証拠です。
1つのアカウントだけを参考にすると、どうしても似てしまいます。そのため、リサーチの際は必ず複数の優れたデザインをブレンドするように意識しています。
・レイアウトはA社
・配色の雰囲気はB社
・フォントの使い方はC社
このように組み合わせることで、パクリ感は完全に消え去り、それぞれの良いとこ取りをした「自社にとって一番使いやすいメニュー」が完成します。要素を引き算してシンプルにまとめ、本当に伝えたいメッセージを真ん中に据えることを意識してみてくださいね。

今回は、参考にするデザインを上手に活用しながら、公式LINEのメニューをオリジナルに昇華させる方法についてお話ししました。
素敵なデザインをたくさん見ることは、引き出しを増やすためにとても大切なことです。でも、それをそのまま真似するのではなく、なぜ良いと感じるのかを分解し、自社のユーザーに届く形にアレンジしていくことで、本当に成果に繋がるメニュー画面が出来上がります。
「自社のターゲットに合うレイアウトが分からない」「ブランドカラーをどうLINEメニューに活かせばいいか迷ってしまう」というときは、いつでもお気軽に私たちにご相談ください。目的や強みに合わせた、最適なデザインと運用プランを一緒に作っていきましょう。