
LINE公式アカウントの画像制作に携わっているみなさん、日々のデザインワークでお疲れ様です!
リッチメニューのA案とB案を同時に作ったり、ステップ配信用のメッセージバナーを何枚も横一列に並べて一気に制作したりすることって、よくありますよね。そんなとき、「A案の文字をほんの少し修正しただけなのに、なぜか完成していたB案のデザインまでズレていた……」なんて経験はありませんか?
実はこれ、バナーを並べて作業しているときに発生しやすい「選択ツールの誤操作」が原因なんです。2枚目のバナーをマウスでグッと囲んだときに、画面外にある隣のアートボードの小さなパーツまで一緒に巻き込んで選択してしまい、気付かないうちに移動させちゃうんですよね。
納品直前や提出前にこのレイアウト崩れに気付くと、最初からやり直すことになって本当に大変です。でも、こうした「隣のアートボードまで一緒に編集してしまう」という問題は、最新ツールのちょっとした機能を活用するだけで、確実に防げるようになりました!
今回は、Illustrator 2026のアップデートで追加された、制作の安全性をグッと高めて作業時間を効率的に削減してくれる便利な新機能を紹介しますね。
これまでのIllustratorにも、オブジェクトやレイヤー全体をロックする機能はありましたよね。でも、同じレイヤー内にたくさんのアートボードを並べていると、特定のアートボードだけを個別に保護するのって意外と難しかったりしませんでしたか?
ちなみに筆者は、他のデータからアートボードをコピペした時、元のアートボードのパーツがひっかかってしまい元デザインが崩れる現象がよくあります。


※架空の会社のデザインです。
そこで新しく登場したのが、オブジェクト単位ではなく「アートボード領域を丸ごと保護する」という、新しいシステムです。これが今回紹介したい「アートボード単体ロック」機能です。
この機能を使えば、指定したアートボード上にあるすべての文字、画像、パスが一瞬でロックされて、選択ツールの影響をまったく受けない状態を作ることができます。操作手順もすっごく簡単なので、ぜひ試してみてくださいね。
方法1. ロックしたいアートボードを選択する
すでに修正が完了したアートボードや、固定して見比べたいアートボードを画面上で選択します。
※選択項目以外をすべてロック:「B」のアートボード以外を全てロック すべてをロック:すべてのアートボードをロック
方法2. 右クリックメニューまたはパネルからロックをONにする
選択したアートボード上で右クリックして、[アートボードをロック] を選ぶだけ。あるいは、アートボードパネルに新しく追加された「鍵マーク」をONにするだけでも大丈夫です。
たったこれだけの操作で、指定したアートボード内のすべての要素にロックがかかります。マウスを大きくドラッグして画面上の要素をまとめて全選択したとしても、ロックされたアートボード内のデータはビクともしないので、安心して他の作業を進められますよ。
Illustratorのカンバス上(アートボードの左上)に、アートボード名が常時表示されるようになったのも嬉しいアップデートでした。
この「アートボード単体ロック」は、特にLINE公式アカウントの画像制作で、こんなふうに実務を助けてくれる優秀なメリットが3つもあります。
制作の現場では「背景」「テキスト」「ボタン」など、細かくレイヤーを分けて管理するのが理想ですが、スケジュールのタイトな案件だと、ついつい同じレイヤーにまとめて作業しちゃうこともありますよね。 そんなときでも、この機能があれば大丈夫。アートボードさえロックしてしまえば、どれだけ大雑把に画面を全選択してドラッグ移動させても、隣のアートボードに影響を与えることはありません。レイヤー構造に関わらず、物理的にデータを保護できるので、不要なミスを未然に防ぐことができます。
リッチメニューのボタン配置を2パターン作成して、見比べながら微調整を行う業務ってよくありますよね。これまでは、A案を固定したまま隣でB案のパーツだけを動かしたいとき、誤ってA案のパーツに触れてしまわないよう、結構慎重にマウスを動かす必要がありました。 でも、A案のアートボードをロックしてしまえば、そのストレスはゼロになります。A案のレイアウトを完全に固定した状態でB案の調整に集中できるので、比較案の制作がとってもスムーズになりますよ。
連作バナーを横一列に並べて制作している際、クライアントから「2枚目のバナーだけ文字を修正してほしい」と指示が来ることってありますよね。このとき、2枚目を直している最中に、すでに確定していた1枚目や3枚目のバナーに不意に触れてしまい、レイアウトが崩れたまま書き出してしまう……というのは、実はよくあるミスです。 修正の必要がないアートボードをあらかじめロック状態にしておけば、こうした事故を物理的に防ぐことができます。予期せぬ変更を防いでデータの正確性を保つことは、クリエイティブのクオリティを維持するためにとても大切です。
AIによる画像生成や自動化機能など、派手な機能のアップデートに目が行きがちですが、実務で本当に助かるのって、実はこういう「作業の安全性を高めて、ミスを未然に防いでくれる機能」だったりします。
LINE公式アカウントの画像制作は、リッチメニューやメッセージバナー、ステップ配信など、複数のクリエイティブを同時に扱うからこそ、一つの小さなミスが大きな手戻りを生んでしまいがちです。
デザインを美しく仕上げるスキルと同じくらい、制作プロセスの中で「ミスが起きない仕組み」を組み込んでいくことが、効率的な運用を支える大切な基盤になります。アートボード単体ロック、とっても便利なのでぜひ日々の制作環境に取り入れてみてくださいね!