LINE公式アカウントで「計測タグ」の提供が決定。背景にあるConnect One構想と今後の展望

2025.12.25

2025年12月18日、LINE公式アカウントのお知らせにて、新たに「計測タグ」の提供を開始することが発表されました。

これまではLINE公式アカウント独自の「LINE Tag」が利用されてきましたが、今後はLINEヤフーのサービス全体を横断する新しいタグシステムへと移行が進みます。

本記事では、今回のお知らせの概要に加え、この変更が行われる背景や、今後のマーケティングがどう変わっていくのかについて解説します。

発表された「計測タグ」の概要

出典:LINEヤフー株式会社『LINEヤフー「計測タグ」LINE公式アカウントへの提供開始および、ビジネスマネージャーでの発行開始について』

発表によると、2026年1月21日よりLINE公式アカウントにおいて「計測タグ」が利用可能になります。

これまで「計測タグ」は、Yahoo!広告 ディスプレイ広告(YDA)向けに先行して提供されていましたが、今回のリリースによりLINE公式アカウントでも利用できるようになります

導入にあたっての主な変更点は以下の通りです。

タグの管理場所が変わる

従来のLINE Official Account Managerではなく、LINEヤフーのビジネス情報を一元管理する「ビジネスマネージャー」でタグを作成・管理する形式になります 。

利用条件がある

利用にはビジネスマネージャーの認証済み組織との接続や、LINE公式アカウント自体が認証済アカウントまたはプレミアムアカウントであることが求められます。

既存のLINE Tagは終了予定

現在利用されているLINE Tagは将来的に提供が終了する予定であり、運営側は新しい計測タグへの移行を検討するよう案内しています 。

導入の経緯:Connect One構想とデータの統合

出典:LINEヤフー株式会社「Connect One」公式サイトより

なぜ、慣れ親しんだLINE Tagから新しい仕組みへ切り替わるのでしょうか。その背景には、LINEヤフーが掲げる「Connect One構想」があります。

Connect One構想とは、LINE公式アカウントをビジネスの起点として、広告・販促・コマース・CRMなど、あらゆるソリューションをつなげるという考え方です 。これまではサービスやアカウントごとにデータが分断されており、LINE公式アカウントのデータはLINE公式アカウントだけでしか使えない状態でした。

今回導入される計測タグは、この分断されたデータをつなぐ役割を果たします

具体的には、Yahoo!広告 ディスプレイ広告とLINE公式アカウントで共通のタグを利用することで、企業単位でのデータ計測や蓄積が可能になります。これにより、例えばYahoo!広告で接点を持ったユーザーのデータをLINE公式アカウントの配信に活かすなど、サービスを横断した高度なマーケティングが実現します

計測モデルの変化によるメリット

仕組みの統合だけでなく、計測の「質」も変化します。

従来のLINE Tagは、コンバージョンに至るまでの複数の接点を評価する「線形モデル」でしたが、新しい計測タグは「ラストクリックモデル」を採用します

LINE公式アカウントの運用においては、最後に配信したメッセージが直接購入や申し込みにつながったかどうかを判断しやすくなるため、メッセージごとの効果分析や改善の精度向上が期待できます

今後の展望

今回のリリースは、LINEとYahoo! JAPANの統合効果を最大化するための第一歩と言えます。今後のロードマップとして、以下のような展開が予定されています。

対象サービスの拡大

現在はLINE公式アカウントとYahoo!広告 ディスプレイ広告が対象ですが、2026年春頃には検索連動型ショッピング広告へ、その後はYahoo!広告 検索広告やYahoo!ショッピングなど、さらに広い領域へ計測タグが展開される予定です。

LINE広告の統合

現時点では、LINE広告は引き続き「LINE Tag」を利用する必要がありますが、将来的にはLINE広告もこの新しい計測基盤に統合されていく見込みです。

まとめ

今回の発表は単なる機能追加ではなく、LINEヤフーのサービス全体でデータを統合し、企業のマーケティング活動をより効率化していくという大きな流れの中にあります。
実施日の2026年1月21日に向け、まずはビジネスマネージャーの準備や組織認証の状況を確認し、新しいデータ活用基盤へ乗り遅れないよう準備を進めることをお勧めします。

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