LINE公式アカウントの運用担当者様、こんな悩みはありませんか？
リッチメニューは、LINEのトーク画面下部という「一等地」に常に表示される、いわば「LINE上の小さなホームページ」です。ここを最適化するだけで、サイトへの流入、クーポンの利用率、そして最終的な売上（コンバージョン）が劇的に変わる可能性があります。
この記事では、なんとなく設定してしまいがちなリッチメニューのデザインを根本から見直し、ユーザーに意図通りに行動してもらうための「クリックされるデザインの鉄則」を、NG例や実践テクニックとあわせて徹底解説します。
目次
リッチメニューは、ユーザーがトーク画面を開くたびに目にする強力な接触ポイントです。メッセージ配信のように「通知が鬱陶しい」と思われてブロックされるリスクがなく、常にそこに存在し続けます。
この「一等地」を有効活用することで、以下のようなメリットが得られます。
ブランドイメージの向上： 一貫性のあるデザインは、企業のブランドイメージをユーザーに浸透させます。
ユーザー体験（UX）の向上： ユーザーが求める情報（例：「今月のクーポン」「マイページ」「予約」）に即座にアクセスできるため、満足度が向上します。
コンバージョン率の向上： ECサイトへの導線や予約ボタンを設置することで、直接的な売上や成果につながります。
逆に、デザインが最適化されていないリッチメニューは、貴重な「一等地」を無駄にしていることになります。
「ボタンが何を指しているか分からない」「テキストが小さくて読めない」「デザインが魅力的でない」——これらはすべて、ユーザーのタップする意欲を削ぎ、サイト訪問や商品購入の機会を逃す「機会損失」につながっています。
では、具体的に「クリックされるデザイン」とは何でしょうか。ここでは、デザインの基本となる4つの原則をご紹介します。
ユーザーはリッチメニューを「熟読」しません。「一瞬」で理解できることが重要です。
フォントサイズ： 小さすぎる文字は読まれずに無視されます。スマートフォンでの閲覧を前提に、十分な大きさを確保しましょう。
コントラスト： 背景色と文字色のコントラスト（明暗差）は明確に。背景画像の上に文字を乗せる場合は特に注意が必要です。文字にフチをつけたり、文字の下に背景色を敷いたりする工夫も有効です。
ユーザーにタップしてほしいボタンは、どれか瞬時に分からなければなりません。
配色： 色の使いすぎは情報を混乱させます。基本は3色（ベースカラー、メインカラー、アクセントカラー）以内に抑え、ブランドカラーを効果的に使いましょう。
アイコン： 「クーポン」「予約」「マイページ」など、テキストと一緒に直感的なアイコンを配置することで、認識速度が格段に上がります。
余白： ボタンや情報を詰め込みすぎず、適切な「余白」を設けることで、各要素が独立して認識されやすくなります。
スマートフォン特有の操作性を考慮することも不可欠です。
タップ領域： ボタンは指でタップしやすい十分な大きさを確保しましょう。
配置のヒント： 多くの右利きのユーザーは、片手でスマートフォンを持った際、親指が届きやすい「右側」や「下段」をタップしやすい傾向があります。最も重要なボタン（例：購入、予約）をタップしやすい位置に配置するのは有効な戦略です。
ボタンのテキスト（CTA：コール・トゥ・アクション）は、デザインと同じくらい重要です。
曖昧な表現を避ける： 「詳細はこちら」や「メニュー」といった曖昧な言葉より、「クーポンを使う」「新商品をチェック」「今すぐ予約する」のように、タップした先で何が得られるかを具体的に示しましょう。
基本の4原則を押さえたら、さらにクリック率を高めるための実践テクニックを取り入れましょう。
メニューに画像を使う際、「写真」と「イラスト」のどちらを選ぶかでユーザーに与える印象が変わります。
写真が有効なケース：信頼感・高級感
飲食店（料理のシズル感）、美容室（施術事例）、不動産（物件の外観）など、リアルな雰囲気を伝えたい場合。
イラストが有効なケース：分かりやすさ・親しみやすさ
「クーポン」や「ポイントカード」など、機能やお得感をシンプルに伝えたい場合。柔らかい印象を与えたい場合。
イラストが有効なケースでは、視覚的な要素がユーザーの注意を引き、メッセージを効果的に伝えることが重要です。特に、商品やサービスの特徴を強調する際に、適切なイラストを使用することで、ユーザーの理解を深め、興味を喚起することが可能です。また、ブランドのアイデンティティを反映させることで、ユーザーに対する信頼感を醸成する役割も果たします。
「ボタンが6つでは足りない！」と情報を詰め込みすぎると、原則1（視認性）や原則2（誘目性）が低下します。 リッチメニューのテンプレート（領域の分割パターン）は、あなたのアカウントが「今、ユーザーに一番してほしい行動」に基づいて選ぶべきです。
優先順位が明確な場合： 2分割や3分割など、ボタンが大きいテンプレートを選び、最も誘導したいコンテンツ（例：セール情報）を大きく配置します。
機能が多岐にわたる場合： 6分割を選び、アイコンなどを使って各機能を整理します。どうしても情報が多くなる場合は、「マイページ」や「よくある質問」といった集約ページへのリンクを設けるのも手です。
ここでは、良かれと思ってやってしまいがちな、代表的なNGデザインを紹介します。
あれもこれもと情報を詰め込みすぎたメニューです。ボタン同士の余白がなく、テキストがひしめき合っていると、ユーザーは「読む気」を失い、タップせずにトーク画面を閉じてしまいます。
おしゃれな背景画像の上に、そのまま細い白抜きの文字を乗せていませんか？ 背景の模様と文字が重なって判読できなくなり、「視認性」が著しく低下します。
リッチメニューには「デフォルトで表示する／表示しない」の設定があります。ここが「表示しない」になっていると、ユーザーはキーボードエリアの小さなバーをわざわざタップしない限り、あなたの作ったリッチメニューに気づくことすらできません。必ず「表示する」設定にしておきましょう。
リッチメニューは、一度作ったら終わりではありません。ユーザーの反応を見ながら「育てる」ものです。
定期的にリッチメニューの効果を分析し、どのボタンがクリックされているか、どの機能が利用されているかを把握して、改善しましょう。
どのボタンがどれだけクリックされたかを分析することで、ユーザーの真のニーズが見えてきます。反応が薄いボタンは、そもそものコンテンツ内容やデザイン、配置を見直す必要があります。
リッチメニューが1年中同じデザインだと、ユーザーは飽きてしまいます。
ユーザーの興味を引き続けるために、シーズンごとや特別なキャンペーンに合わせてリッチメニューを更新するのもおすすめです。
「サマーセール」「新生活応援」「クリスマスキャンペーン」など、季節やイベントに合わせてデザインや導線を変更することで、ユーザーに新鮮さを提供し、クリックを促すことができます。
リッチメニューは、LINE公式アカウント運用の「要（かなめ）」です。なんとなく設置するのではなく、ユーザー目線で戦略的にデザインすることで、その効果は飛躍的に高まります。
基本の4原則（視認性、誘目性、操作性、誘導力）を守る。
実践テクニック（画像やレイアウトの使い分け）で差をつける。
NGデザインを避け、必ず「デフォルトで表示」する。
分析と改善（効果測定、定期更新）を繰り返し行う。
この記事を参考に、ぜひあなたのアカウントの「一等地」を、成果の出る最強の導線へと変えてみてください。
【引用元】
LY Corporation. (2024.09.10更新). 【公式】LINE公式アカウントのリッチメニュー｜運用のコツや活用事例を紹介. LY BIZ.
